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ブランディングデザインの考え方と進め方
エイトブランディングデザインでは、デザインを経営に活用する方法を「ブランディングデザインの3階層®」で整理しています。
企業活動をマネジメント、コンテンツ、コミュニケーションの3階層に分け、各階層に一貫性を持たせるために縦串を通すことで、クライアント、ユーザー双方にとって一貫性のあるデザインを生み出すことが可能です。
さらに、「ブランディングデザインの3階層®」に加え、独自のブランド開発手法「フォーカスRPCD®」を用いてブランド開発を行っています。マーケティングが売ることを目的としているのに対し、ブランディングとは伝言ゲームのようなものと考え、いかに伝わるかを重要視しブランディングデザインを行います。
「フォーカスRPCD®」とは、F(フォーカス)、R(リサーチ)、P(プラン)、C(コンセプト)、D(デザイン)のこと。
中でも一番重要なのは、自社の強みであり、他社との差異化要因となるF(フォーカス)をつくり出すことです。F(フォーカス)が、R(リサーチ)、P(プラン)、C(コンセプト)、D(デザイン)の4フェーズすべてにおいて意識し、プロジェクトを進めることで良いブランド構築につながります。
「フォーカスRPCD®」を一巡しブランドが完成した後も、再びリサーチに立ち返り、このフローを繰り返しながらブランドをさらに育てていきます。
ブランディングデザインの流れ
プロジェクトのキックオフ後、お客様とワークショップ形式のお打ち合わせを重ね、ブランド開発を行っています。ブランド発表後も、ブランドのデザイン部長のような立ち位置で継続的にお客様と一緒にブランドを育てていきます。
ブランディングデザインの事例
クラフトビール界のパイオニア COEDOのブランドができるまで
有機野菜の流通を行う会社が地域の農産物を原材料にビールをつくり、「地ビール」として売り出したものの、ブームの終焉とともに売上が低迷。当初はラベルデザインの変更のみを考えていたが、ブランディングデザインに可能性を感じ、見た目だけではなくブランド全体のリブランディングに踏み込むことを決断した。
Focus
ブランディングデザインの核となるフォーカスポイントは、地ビール業界が縮小するなかでの地ビールという言葉を見直すこと。地ビールはどこでつくっているかが重要だがCOEDOがこだわっているのは、どうやってつくるか。職人のものづくりに着目し、新たなポジションへと向かうこととなった。
Research
第3のビールや発泡酒が登場し、ビール市場が衰退するなか、規制緩和により地ビールブームが到来。ただ味にクセがある、高価格などのイメージから徐々にブームも衰退していくことに。そうした業界の動向や他社ビールのポジションを確認。
Plan
COEDOの職人が醸し出すビールには、確かな技術と味わいがある。職人によるものづくりを省みた時、COEDOの本質は地ビールではなく「クラフトである」と新たなポジションをとることを宣言。クラフト的な世界の食のトレンドを肌で感じていた、コエドビール朝霧社長と共に日本のビール業界では初めて「クラフトビール」という新たなポジションの確立へと向かっていく。
Concept
朝霧社長の思いは、ビールは本来、豊かな色、味わいを持つ、楽しいものであり、そして素晴らしいものであるということ。その思いを伝えるため、COEDOのブランドコンセプトは「Beer Beautiful」に決定した。
Design
デザインはロゴやパッケージ、コーポレートツール、WEB、年に一度開催されるイベントコエドビール祭のプロデュースに至るまで多岐に渡る。ロゴマークは、ビールの材料であるホップの実を象徴した「毬花」をモチーフにマークを開発。COEDOの文字はパターン化させ、様々なツールへと展開している。
デザインコンセプトはビールの美しい液色の多様性をテーマに“あふれる日本の色”と定め、各ネーミングやパッケージなどに展開し、ブランドの世界観を構築している。
2006年のリブランディング以後、「Beer Beautiful」をコンセプトに日本のクラフトビール界を牽引し続けているCOEDOの活躍は日本のみならず、香港に「COEDO Tap room」をオープンするなど世界20カ国以上で愛飲されている。
国内では、1000ℓという小ロットで1000種類のビールを試作するラボ「COEDO Craft Beer 1000 Labo」(川越)や、新工場「COEDOクラフトビール醸造所」(東松山)の建設など、COEDOは、地域に根ざした本当の意味での地ビールへ進化を続けている。