「技術と表現」を常に意識、そんな思考が染みついている

第1回 tha ltd.代表取締役・デザイナーの中村勇吾氏(前編)

日経デザイン5月号から新しく始まった連載「アーキテクチュアル・シンキング アイデアを実現させる建築的思考術」。ブランディングデザイナーの西澤明洋氏が、建築系の出身でありながら、現在は建築系以外の分野で活躍するデザイナーやクリエーターなどにインタビューして、発想の原点を探っていく。最初に登場するのは、東京大学で土木や建築を学びつつも、現在はデジタルクリエーターとして知られるtha ltd.の中村勇吾氏の前編。
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西澤:本日はありがとうございます。まず、今回の「アーキテクチュアル・シンキング」という連載企画の経緯からお話をさせていただきます。僕は現在、ブランディングデザインを専門にしていますが、元々は京都工芸繊維大学で建築を学ぶところからデザインの勉強をスタートしています。そこから建築への道は歩まず、一度メーカーに就職してプロダクトデザイナーとしてキャリアを積んだあと、独立・起業してから、現在のブランディングデザイナーとしての活動を開始しています。
 僕らが卒業したときは、ちょうど不況のときだったのか、建築だけではなく、さまざまな分野に就職された方が多いようです、しかし、そうした方々が、いまや建築以外の分野ながら、それぞれの第一線でクリエーターとして注目を集めています。中村勇吾さんもデジタルクリエーターとして有名ですが、本来は建築学科出身ですよね。

中村:そうです。当時は製図ばかり描かされていました(笑)。

西澤:今回、僕が「アーキテクチュアル・シンキング」と名付けた理由もそこでして、各分野で活躍している方の出身学科を見ていくと、建築学科が結構、多いのではと感じました。いろいろな方とお仕事をしていると、「実は私も建築出身です」と。特に僕よりも若い世代の方が顕著で、建築をベースにしながら、いろんな分野で新しいものを次々に開拓しています。なぜ建築出身者は新しいものを生み出しやすいのか、考え方がどう違うのか、発想法はどうなのか、といった僕の疑問から「アーキテクチュアル・シンキング」という今回の連載企画が生まれました。そうした点をインタビューで深掘りしていきたいと思います。
 連載の第1回目のインタビュー相手として、建築的なバックボーンを持ちながらデジタルクリエーションと呼ぶべき新しい分野を開拓するなど、言わば「アーキテクチュアル・シンキング」のパイオニア的な存在ともなっている中村勇吾さんにお願いしました。これからも各分野の方にインタビューする予定です。まずは中村さんがそもそも、なぜ建築を志したのかをお聞かせください。

つづく…
掲載ページへ
http://business.nikkeibp.co.jp/atclnd/15/259861/042100111/

(引用ページ/日経デザインWEB 写真:名児耶 洋)
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▲日経デザインにて、新連載がスタートしました。


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